布団から出たくない
私が布団から出たくないって言うか
布団のほうから
「ゆま、まだ行くなよ」
「まだ一緒に温める合おうよ」
って言ってる気がする。絶対言ってる。
だってね
目が覚めた瞬間の布団があったかいのは
わたしの体温あってこそ。
だから
私が布団に入らなかったら
そもそも布団はあったなくなかったし
ひとたび私が布団から飛び出せば
あれよあれよと布団はつめたくなって
ただの巨大で厚いだけの布になるわけで。
わたしのちからで
ただの巨大分厚布からあったか布団に昇格して
その力によって
私を虜にしてる、って考えると
とんでもなく搾取野朗かつ依存させ野郎の
ダメ男でしかないけど
彼(羽毛布団)がいないと生きていけないから
ひたすら抱かれるしかない
修羅の道なんだよなぁ~
犬の散歩を終えて
また吸い寄せられるように布団に抱かれ
肌と肌を触れ合わせる昼下がり。
布団
「あったかくなってきたね」
布団
「ゆまの身体も、ほら、あったかくなってきた」
布団
「肌(布)と肌(水野の皮膚)が触れ合うと
ほら、こんなに気持ちいい」
布団
「眠くなってきた?」
「僕の腕の中でおやすみ(ぎゅ)」
水野
「………布団さん、好き」
「ずっと一緒にいようね」